学術資料展示(地球惑星科学分野)


展示室 1998年11月24日「北海道大学総合博物館」の先行企画として、地球惑星科学分野の学術資料の先行展示がオープンした。そのテーマは『「北の大地が大洋と出会うところ-アイランド・アーク(島弧)」の地球科学 -岩石・鉱物・鉱床・化石・地層とそれらの歴史-』である。

 北海道のまわりには、日本海・オホーツク海・太平洋が拡がり、島弧は本州から北海道を経て、千島列島・アリューシャン列島・北米大陸・南米大陸へと連なっている。このような「島弧-海溝系」に位置する北海道は、約1億5千万年前以降に活発となった白亜紀の「島弧変動」と新生代の「島弧変動」による様々な岩石・鉱物・鉱床・地層およびその時期に生死した生物の化石から構成されている。

 アインシュタインドーム3階フロアでは、階段を上り切った正面から左回りに先カンブリア代(約28億年前の化石)から現在までの地質時代の区分に従い、それぞれを代表する化石が一覧できる。資料陳列室の入り口近くには、哺乳類化石『デスモスティルス』と恐竜化石『日本竜』を、中央には神居古潭帯を含む空知-エゾ帯と日高変成帯の岩石類を展示している。とくに日高変成帯の岩石は、深さによって異なった岩石が形成される様子がうかがえるように展示してあり、直接手で触れることができる。両側には北海道産の新鉱物・各種鉱物・金属鉱床産鉱石・石炭・石油、海底堆積物、そして火山噴出物と火山災害などが展示されている。

 この展示を見て興味を持った人々が実際に現地の自然に出向き、自然と対話する動機付けを提供できるならば、今回の企画は成功したと言える。地域に根ざした大学博物館を作り出すためには、私どもの創意工夫の努力を絶やさないのは勿論のことであるが、多くの皆様方が関心を寄せて下さることが最大の牽引力になる。


デスモスティルス Desmostylus hesperus

 北海道大学総合博物館には、5つの大型化石標本があるが、そのなかの一つ「デスモスティルス」(模式標本)は世界最初に復元されたほぼ全身の化石骨格標本である。

デスモスティルス デスモスティルスは、1,400万年ほど前(中新世中期)に北太平洋沿岸に生存していた、全長4メートルくらいの大型水生ほ乳類である。のり巻きを何本も束ねたような特徴的な臼歯の化石が、北太平洋沿岸各地の海成層から発見されたことなどから、水中生活をしていたと考えられており、鰭(ひれ)でできた手足がついていると想像されていた。

 本博物館の標本は、1933年に北大の長尾巧教授が南サハリンで発見し大変な苦労の末発掘したものである。ほぼ1頭分の骨格により、デスモスティルスに頑丈な四肢があることを始めて明らかにした貴重な標本である。



展示パンフレット

パンフレット表紙

展示内容の詳細な解説をまとめたパンフレットを発行しています。大学院理学研究科の川村信人講師(博物館資料部研究員)が中心になって編集したもので、こちらのサイトからPDF版も配布されています。


展示担当者による解説サイト

展示内容のうち以下のものは、展示担当者個人のページで詳しく紹介されています。こちらもご覧ください。


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