北大総合博物館教育プログラム・「北大総合博物館で学ぼう!―自然と人間」授業報告

1回目 オリエンテーション、北大総合博物館概要、館内見学

担当教員:湯浅万紀子(博物館教育)

今日は初回の授業ということで、北大総合博物館の使命や組織などついて講義を受けた後、博物館内(主に3階)を見学した。大昔の節足動物や藻類の化石、様々な生物の剥製や骨格標本、更に人間の皮膚病の模型など珍しいものが沢山あり、もっとじっくり見たいと思った。理学院の院生で博物館の展示解説ボランティアも務める田中嘉寛さんに、1室で展示解説を実演していただき、来館者の年齢層や関心に合わせて解説内容を決め、場を盛り上げる工夫をし、その結果を次の解説に活かす努力をしているのだと知った。北大の博物館にはほとんど来たことがなかったが、ゆっくり見ていたら授業時間内では足りないほど興味深いものの多い場所だった。まだ見学できていない所も残っているので、これからの授業を通して見ていきたい。(経済学部1年 内田雄太・平真大)


2回目 大学博物館の展示と評価

担当教員:湯浅万紀子(博物館教育)

第二回目の今回の講義は、私にとって博物館というものに対する認識が大きく変えられた90分であった。まずは、北大総合博物館や、湯浅先生が以前勤務されていた東京大学総合研究博物館で実際に行われている事例を紹介しながらの展示制作と展示評価の講義。学生達が博物館を様々な視点から見て、どのようにすれば博物館がより魅力的になるかを考察し、そして工夫を一つも二つも凝らしたアイディアを軸にしてクリエイティブにアクティブに博物館企画をコーディネートしていく事例も紹介された。その学生達の様子に私は大いに刺激されて、実際に自分でもあのような素晴らしい展示や企画に携わりたいものだと思った。また、展示評価の理念と方法に関する湯浅先生の説明も、博物館活動は普段は来館者の目に届かないスタッフの手によって想像よりも遥かに周到に準備され、検証され、評価されていたのだということを思い知らされ、博物館への興味を更にそそられた。
 その後、展示評価の一手法であるトラッキングという行動追跡調査と、来館者へのインタビューを、科学技術展示室において受講者同士で行った。これも実際にやってみると、実に興味深い。どのようにうまく来館者の行動を観察するか、インタビューでどのような聞き方をすればより来館者の本心を探ることができるのか。注意すべき点は沢山ある。先ほどに続き、ここでも更に博物館スタッフの苦労を知った。博物館を別な視点から見ることができた、とても有意義な時間であった。(経済学部1年 板東信幸)


3回目 大学博物館の教育プログラム

担当教員:湯浅万紀子(博物館教育)

今回は大学博物館で行われている教育プログラムに関して講義を受けた。まず、北大総合博物館で行われている博物館に関連した講義や演習の紹介を受けた。その中で詳しく紹介されたのは、同館の企画を学生自らが立案して運営するというものであった。私達はその内の博物館にカフェをつくるという取り組みに非常に興味を持った。博物館にカフェを創設することで、来館者が同館の歴史ある雰囲気のなかでお茶を飲みながら、博物館スタッフや学生達と談話をまじえながらひと時を過ごすというのも、博物館のひとつの魅力となり得ると感じた。
 続いて、ボランティアの活動の概要も説明された。ボランティアとして一般市民や学生が博物館とかかわりを持つことは、異なる立場の人々が集まって意見交換して視野を広げたり、同じ作業をして博物館に貢献しているという連帯感が生まれるなど、双方に意味をもたらすことになるため、積極的に参加を試みてほしいと思う。
 標本を保管し、研究し、展示することだけが、博物館の役割ではないということを学んだ。(水産学部1年 水上卓哉・永井愛梨)


4回目 海藻食品の正体を調べる1

担当教員:阿部剛史(海藻)

「海藻サラダ」に入っている海藻の種類を調べるために、今回は光合成色素の特徴から海藻の分類群を推定するための準備を行った。各自二種類の材料を選び、それとシリカゲルを乳鉢で粒が見えなくなるまですりつぶした。すりつぶす作業は予想以上に大変に感じた。次に、それにアセトン、石油エーテル、塩化ナトリウム水溶液を混ぜ、海藻の色素を抽出した。色素の色は海藻によって全く異なり、赤い海藻から緑の色素が抽出されたのには驚いた。次回の実習では、これを使い、海藻の種類を薄層クロマトグラフィーによる分離によって調べる。今回の実習では次回行う薄層クロマトグラフィー準備だったため、説明等は次回受ける。(水産学部1年 木澤有希・國井侑)


5回目 海藻食品の正体を調べる2

担当教員:阿部剛史(海藻)

今回は前回の授業に引き続き、海藻食品の正体を調べた。先週の授業で抽出した海藻食品の色素試料を使って、薄層クロマトグラフィーによる分離を行った。毛細管を使い試料が広がらないようにスポットしていくのが難しく感じられた。スポット終了後、シリカゲル薄層プレートを展開層に入れた。その際に観察された、スポットの分離の様子が見ていておもしろかった。色素試料そのものの色からは、現れるとは推定できないような色が分離していく様子は、とても興味深いと感じた。しかし、私たち学生の採取した試料よりも見本として各グループに配布された試料の方が、きれいに分離しており、技術不足も感じた。また、実験の最中に、それぞれの色素の分子構造や、海藻や陸上植物の系統樹についてなどの解説があり、非常に印象深い内容であった。(水産学部1年 中村紗由美・藤澤佳乃子)


6回目 化石の分類と整理

担当教員:小林快次(古生物)

今回から古生物学の授業に入った。今週は、ニッポノサウルス、デスモスチルス、マチカネワニ(トヨタマフィメイア)について、それぞれの特徴や発見・研究された経緯について説明を受けた。興味深かったのは、ニッポノサウルスとデスモスチルスの「歯」である。ニッポノサウルスは、歯を調べることで、植物食に適応し、繁栄していたことがわかった。一方、デスモスチルスは、柱を束ねたような独特の歯を持った哺乳類だが、発見例が少ないこともあってか、水辺に生息していたということ以外は謎である。骨格から生態を知ることの奥深さを感じた。また、マチカネワニの研究が、現代のワニを研究する上で重要な位置を占めるということも初めて知った。
 日本は恐竜や古生物があまり発掘されていないというイメージがあったが、今回説明を受けた古生物はすべて日本及びその周辺(樺太)で発掘されていると知り、驚いた。次回は、今回教わったそれぞれの古生物の特徴を踏まえて、骨格の一部がどの古生物のどの分であるかを、展示されている標本と照らし合わせて考えるそうだ。(文学部1年 勝木麗華)


7回目 地層と化石から調べる地球の歴史及び地球環境の変遷

担当教員:小林快次(古生物)

今回は前回の授業の化石の分類と整理で習った知識も活かしながら、実際に化石の同定を行った。何の生物のものか分からない化石を様々な角度からスケッチし、大きさや特徴などをメモしていく。そしてそのスケッチを持って3階の展示室でその化石がどの生物のものかを調べた。デスモスチルス、マチカネワニ、ニッポノサウルスの3種に絞られてはいるが、何百とある骨の中からどの部分であるかを見つけるのは大変困難だった。今回の授業を経験したことによって、次からは化石を見る視点も少し変わってくると思う。(水産学部1年 池田浩介・猪原悠太郎)


8回目 魚類の分類と進化・多様性 1

担当教員:今村央(魚類)

今回の授業では、6種の魚類標本(スナヤツメ、ココノホシギンザメ、トラザメ、シシャモ、ハダカイワシ、ケカジカ)の内、2種の標本のスケッチを行った。また、スケッチには、魚の和名と学名、標準体長、自分がその標本を観察して気づいた特徴も記入した。その過程で、スケッチの描き方や注意点、スケッチする際の標本の置き方、長さを測る際に使用するキャリパーという特殊な道具の計測値の読み方、各標本には研究機関の略号(北大の場合はHUMZ)と単一番号が付されてそれぞれ識別されていることなどを学び、正確なスケッチを描く難しさや大切さを実感した。
 3回の授業で、6種全ての魚類のスケッチを行い、それをもとに魚類の進化に関する考察を行う予定である。(水産学部1年 小野田晃子)


9回目 魚類の分類と進化・多様性 2

担当教員:今村央(魚類)

今回の授業では、前回に引き続いて魚のスケッチを行った。対象となる標本は6種類で、次回までの3回で全種をケント紙にスケッチする予定である。生物標本を細かく観察することが新鮮であったのに加え、魚を食物ではなく標本としてみる機会はこれまでなかったので、非常に貴重な経験となった。標本を見ていくと、トラザメの楯鱗やスナヤツメの容姿などをはじめとし、魚類の中でもそれぞれの種で体の構造に様々な違いがあることが分かった。作業に合わせてなされた今村先生の解説からも、魚類に関する詳しい説明から標本全般に関する解釈まで、幅広い知識を学びとることができた。また、講義後に提出するレポート課題は、観察結果などをもとに魚類の進化を自分なりに考察することになっている。観察結果からどのような考察ができるか、強い関心が持てる。(理学部1年 池田真彦)


10回目 魚類の分類と進化・多様性 3

担当教員:今村央(魚類)

今回の授業は、魚類標本のスケッチの3回目、最終回であった。今回で全6体を仕上げるということで、これまで以上に集中してスケッチに取り組んだ。ほとんどの学生にとって、標本を観察してスケッチするという機会は、この授業が初めてであった。3回目になっても、魚をじっくり観察することは新鮮で、また魚の種類によって形や大きさだけではなく書きやすさも異なり、スケッチに要する時間も変わってしまう。今村先生は、皆がスケッチしている間に、絵の上手い下手は関係なく、よく観察して描くことが重要であり、よく観察して特徴を捉えていくことで似ていくとおっしゃっていた。また、英語学習の重要性も語られた。標本をこのようによく観察することは、とても貴重で役に立つ体験となった。(経済学部1年 松島みなみ)


11回目 鉱物の分類と命名

担当教員:松枝大治(鉱物)

今回の授業では、まず初めに鉱物に関するアンケートに答えた。おそらく鉱物とは何かということをしっかりと説明できる学生はあまり多くなかったのではないかと思われるため、その後の授業での意識を大きく向上することができたと思われる。その後、その内容を踏まえた講義を聴き、鉱物に関する知識を深めた。更に講義と並行して、実際に数多くの鉱物を観察した。鉱物には本当に様々な種類があり、同じ鉱物といえどもとても幅が広く、色合いや形などとても興味深いものを多数観察できた。知識としては知っていても、実際にそれに触れることができたということは、学生達にとってとても貴重な経験になったと思う。(水産学部1年 横山拓也)


12回目 岩石の分類と成因

担当教員:松枝大治(鉱物)

今回の授業では、岩石についての講義を受けた。まず初めに、君が代の歌詞を漢字で書けるかというアンケートに答えた。アンケートに答えた時点では、それが何に関連しているかよく分からなかったが、講義の途中でアンケートが集められ、君が代の歌詞を説明していただいた。そこには、今回の授業の内容の岩石が出てきて、とても意味深いものだった。前回の授業と同様に、たくさんの種類の岩石を見たり、手で触ったりでき、普段の生活ではめったに体験することのできないことばかりだったので、とてもいい経験になったと思う。(水産学部1年 山崎雄太)


13回目 特殊な岩石(隕石と鉱石)

担当教員:松枝大治(鉱物)

かずかずの隕石が目の前に並び、私はそのうちの一つをそっと手に取る。とても不思議な感覚だった。はるか宇宙を旅して地球にたどり着いたその石。おそらく、私が想像もつかないような距離を旅してきたのだろう。思わず宇宙に思いをはせた。先日の授業の一場面である。
 授業では隕石の話から始まり、果ては地球の環境問題にまで言及された。さまざまなデータを使い、部屋を暗くしての解説は眠くなると相場が決まっているが、不思議と眠くはならない。それどころか、しだいに先生の話へ引き込まれていく。どれも知的好奇心をそそる興味深い話ばかりだ。かの有名なクラーク博士が実は隕石を研究していたと聞いた時は驚きだった。実際に隕石の標本も見た。とても貴重な体験である。実際に触ってみた時の感動は冒頭で述べたとおりだ。
 岩石への興味はさらに強まったように思える。(経済学部1年 板東信幸)


14回目 ITを活用した効果的な展示

担当教員:小俣友輝(情報)

まず冒頭に、北大カフェプロジェクトの松田純佳さんより、北海道大学教育GP「博物館を舞台とした体験型全人教育の推進」における北大カフェプロジェクト博物館カフェ、総合博物館による卒論ポスター発表での企画・運営への協力者募集のお話しがあった。2月26日・27日のイベントに興味がある場合は、小俣(y-komata@museum.hokudai.ac.jp)もしくは湯浅(m-yuasa@museum.hokudai.ac.jp)まで。
 今回の授業では、強力な情報発信ツールである映像技術についての解説、博物館で取り組んでいる映像ミュージアムの紹介があった。次に、実際に映像を作るとはどういうことかというテーマのもと、これまで文章で行っていた授業報告を映像で行うべく、クラスを4つのグループに分けて映像制作を行うこととなった。映像制作作業は時間と労力が必要であり、比較的高度なリテラシーを要するため、今回の授業ではグループごとにストーリーを組み、ある程度のコンテを作成するところまでを行った。またカメラマン、出演者、編集係を決め、次週も引き続き作業を行うこととした。初めての取り組みである者が多い中、どのような作品が出来上がって来るのか、大変楽しみである。(文責:総合博物館 博物館教育/情報メディア研究系助教 小俣友輝)

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15回目 ITを利用した情報公開

担当教員:小俣友輝(情報)

いよいよ最後の授業。前回に引き続き今まで行った授業報告を映像を使って表現するというものである。それぞれのグループが独自の方法で映像を作り上げていった。動画を用いるグループ、静止画をズームさせることによって動画のように表現するグループなど様々であった。また文字の使い方も様々である。色や大きさは勿論、動かし方によっても様々な作品が出来上がった。ちょっとした工夫によって映像は文章だけのものに比べて多くの情報を持つことができ、また視覚的にも伝えることが出来るのでより正確な情報を伝達できる。この映像を作る過程で今までの授業を振り返ったが、様々な内容を勉強していた。普段ではなかなか出来ない貴重な経験がたくさんでき、忘れられない授業であった。今までお世話になった教授やTAさん本当にありがとうございました。(水産学部1年 猪原悠太郎)

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